ネバーランド
「ネバーランド?」
「そうです。ここは夢の国。一生遊んで暮らせる場所。永遠に子供でいられる場所。」
青年は微笑み、少女を見下ろす。
「どうでしょうか、お嬢さん。この国の住民になりませんか?」
「住民に?」
「ええ、そうです。子供のままでいたい、そう強く願ったからお嬢さんはここに迷い込んできた。」
(強く願った…。その通りだわ。嘘ばっかつく、汚い大人なんかになりたくなくて)
少女は上目に青年を見る。
「本当に子供のままでいられるの?」
「ええ、もちろん。アナタは子供のまま成長する事はありません。」
少女の顔に笑みが浮かぶ。
疑う気持ちはどこへやら…?