僕は何度でも、きみに初めての恋をする。
何よりもそれが恐かった。
バラバラになることで、家族がひとつじゃなくなることで。
わたしの全部が嘘になってしまうということ。
ふたりの絆の証だったわたしが居れば、どうにか繋ぎとめていられると思っていた。
どんどん世界が汚れても。
なんにも見えなくなっても。
本当は、心のどこかで信じてた。
あのとき。みんなで手を繋いで見た星空みたいに。
真っ暗闇の中で、キラキラ輝く小さな光みたいに。
世界は必ず、明るく照らされるってことを。
『きれい、おほしさま』
『うん、星の名前とお揃いだ』
わたしとおんなじ名前の光。
わたしもいつか、あの光とおんなじように、キラキラと、真っ暗闇を照らせる光に。
なれるって、信じてた、けど。
だめだった。
わたしは、夜空の星みたいにはなれなかった。
わたしの世界は淀んだまま。
どんどんどんどん暗くなって。
たったひとりで、うずくまって。
それどころかもう。
もう、本当に。
ただの、要らない存在になってしまうことが。
何よりも、恐くて。