僕は何度でも、きみに初めての恋をする。
─Ⅷ─ タマノヲ
まるで、この世のものじゃないみたいだった。
小さな瞳で見上げた、満天の夜空。
毎日家のベランダから見ていた夜とはまったく違った。
キラキラと光るいくつもの光。
手を伸ばせば掴めそうで、必死で背伸びをしてみた。
だけど届かなかった。
あんなに近くにありそうなのに、その光は、ずっと遠くにあるみたいだった。
でも、側に、感じていた。
小さな。綺麗な。
夜空に輝く、真っ白な星。
わたしと同じ名前の、暗闇を照らす、かすかな、光。
今はまだ届きもしないそれに、自分もいつかなれるだろうか。
幼い心でそう思った。
真っ暗闇の中、ひとり俯く人へ。
世界を照らす、小さな光を。
見上げれば必ずあるんだと。世界は暗闇じゃないんだと。
あなたはひとりじゃないんだと。
伝えられる人に、いつかわたしも──