ロストバージン·レクイエム

「出すよ」と言われたけれど、いつ出たのかはよく分からなかった。

彼は何枚かティッシュを取ると、外したゴムを包んで捨てて寝転がっている私のあそこを拭こうとした。

恥ずかしいので「いいよ」と断り自分で拭いた。

シーツが湿っている。
ひょっとして血じゃないかと思い、トイレに駆け込んだ。

が、出血量は極々少なく、ベッドが血の海になっていない事に安心した。

寝室に戻ると彼は寝ていた。

「男の中にはセックスが済むと女を疎ましく思う人もいる」という話を思い出し、ベッドに入るのをためらっていると


「何してるの?早く来て」


タオルケットをめくった彼に呼ばれた。
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