ロストバージン·レクイエム

金曜日。

今日の夕飯は豚肉の生姜焼き。


「ちょっと味薄くない?ただの焼いた肉って感じ」

「本当だ。ちょっと生姜が少なかったかも。」


まあ、こんなときもあるだろう。


食事も終わろうかというタイミングを計ってバッグからリボンがかけられた包みを取り出した。


「ちょっと遅くなったけどこれ。誕生日プレゼント」

「マジで?メールだけでもかなり嬉しかったのに」


彼の誕生日は5日前に過ぎていた。

何を贈ろうか迷ったけど、好きだと言っていたドラマのDVDボックスにした。

今までどちらかというと頭を悩ます事が多かった、人へのプレゼント選び。

今回の相手は初めての彼氏だ。
がっかりされたり嫌がられたりしないか心配だったものの、開けた時の彼の顔を想像しながらプレゼントを選ぶのは意外に楽しいものだった。


「これは?」


DVDボックスと一緒に包まれていた封筒に彼が気づいた。


「お手紙。後で読んでね」

「嫌。今読む」


やっぱりこうなるよね。
私が相手の立場でも同じ事すると思う。
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