ロストバージン·レクイエム


電車の中で川島さんは休日の過ごし方を聞いてきた。

そんなベタな質問をされたのはいつぶりだろうか。

間を繋ぐためのとりとめのない会話。

きっと質問の答えにはさして興味は無いだろう。

でも何か感じる。

本当に聞きたい事や言いたい事が別にあるような違和感。

電車は減速を始め、もうすぐ停まりそうだ。

「では」

「はい。気をつけて」

一礼して電車を降りた。
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