ロストバージン·レクイエム
本とにらめっこしながら米をとぎ炊飯器にセットし、野菜炒めに取りかかる。
川島君は取り込んだ洗濯物を畳んでいたけどキッチンから野菜を切る大きな音が聞こえるたびに「大丈夫?」とこっちを覗いてきた。
フライパンに火をかけて切った具を入れると、炒めるジュウジュウという音がして食卓で覚えのある匂いが漂う。
すると一気に「料理をしている」感じがして嬉しくなった。
料理は無心になれる。嫌いじゃないかも。