ロストバージン·レクイエム
誰にも聞こえないし正直に白状しよう。
私の顔の造りはなかり良いらしい。
第一印象ではモテる方だと思う。
人間がひねくれていることは認める。
子どもの頃から変わったものが好きだった。
大人には「可愛いお子さん」ではなく「ひょうきんなお子さん」と評された。
マセているというのとはまた違う感じで子どもらしくなかった私は、大人からしてみれば多分可愛いというのではなかったのだろう。
ひょっとして自分がモテる部類の人間なのではないかと思い始めたのは高校生になってからだ。
モテ気取りのいけ好かない奴からキモヲタこじらせたようなヤバいようなのにまで、声をかけられるようになった。
でも私は相手にしなかった。
ただただ気味が悪かった。