朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
実は由良の用意した男性用の衣服は、従一位以上の大臣クラスが身に纏う服だった。
衣服令により身分に応じて着用する服の色が決まっていたので、柚のことを高級官僚だと思った人々は、見知らぬ顔の柚を不審に思っていたが、自ら話しかけることはできないのでただ見送ることしかできなかったのである。
しかも、高級官僚であれば絶対に下の身分の者にわざわざ会釈などしないので、彼らはますます柚のことを不審がった。
そうとは知らない柚は「なんだ楽勝じゃん」と得意気になっていた。
大股で渡殿を闊歩し、ずんずん進んでいく。
すると柚は大きな競技場のような場所に出た。
そこには弓や的場、それと木刀が数十本置かれていた。
どうやら外につくられた稽古場のようだった。
柚は興味がわき、渡殿を降りて地面に足をつけた。
築地にはりめぐらした幕により、広場の様子は渡殿や建物の中からは見えづらくなっている。
柚はこれ幸いにと、剣や木刀を興味深く眺めていた。
衣服令により身分に応じて着用する服の色が決まっていたので、柚のことを高級官僚だと思った人々は、見知らぬ顔の柚を不審に思っていたが、自ら話しかけることはできないのでただ見送ることしかできなかったのである。
しかも、高級官僚であれば絶対に下の身分の者にわざわざ会釈などしないので、彼らはますます柚のことを不審がった。
そうとは知らない柚は「なんだ楽勝じゃん」と得意気になっていた。
大股で渡殿を闊歩し、ずんずん進んでいく。
すると柚は大きな競技場のような場所に出た。
そこには弓や的場、それと木刀が数十本置かれていた。
どうやら外につくられた稽古場のようだった。
柚は興味がわき、渡殿を降りて地面に足をつけた。
築地にはりめぐらした幕により、広場の様子は渡殿や建物の中からは見えづらくなっている。
柚はこれ幸いにと、剣や木刀を興味深く眺めていた。