朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
幽霊を見てしまったら、途端にものすごい恐怖に襲われる柚だったが、なぜか男を見ても冷静でいられた。
生気はなくても、柚の嫌いな幽霊とは異なっていた。
何がどう違うのかは、柚にもよく分からなかったが、なんとなく表現するならば、幽霊には感情があるが、男からは感情が伝わってこない。
人間ではないことは確かだけれど、だからといって幽霊でもない。
これは一体何なのか、柚には判別できなかった。
男は身体を左右に動かし炎のように揺らめきながら、音もなく柚に近付いてきた。
そして感情のない顔で白刃の剣を躊躇なく振り落してくる。
間一髪の所を木刀で刃を受け止め、すかさず木刀を回して払いのける。
一定の間合いを取り、柚も構えを取った。
いきなり襲われて困惑していたが、不思議と頭は冷静で、試合の時のように相手の動きを観察する余裕もあった。
鳥の声や風の音など、周りの雑音が一切耳に入ってこず、柚は集中し二人だけの空間を作った。
生気はなくても、柚の嫌いな幽霊とは異なっていた。
何がどう違うのかは、柚にもよく分からなかったが、なんとなく表現するならば、幽霊には感情があるが、男からは感情が伝わってこない。
人間ではないことは確かだけれど、だからといって幽霊でもない。
これは一体何なのか、柚には判別できなかった。
男は身体を左右に動かし炎のように揺らめきながら、音もなく柚に近付いてきた。
そして感情のない顔で白刃の剣を躊躇なく振り落してくる。
間一髪の所を木刀で刃を受け止め、すかさず木刀を回して払いのける。
一定の間合いを取り、柚も構えを取った。
いきなり襲われて困惑していたが、不思議と頭は冷静で、試合の時のように相手の動きを観察する余裕もあった。
鳥の声や風の音など、周りの雑音が一切耳に入ってこず、柚は集中し二人だけの空間を作った。