朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「渾天儀ってなんだ?」
「渾天儀とは、天文上の変異を知るために天文観測に用いた道具のことです。
僕は暁兄様のような力はないから、暦と陰陽道を駆使して物の怪に対抗しようと勉強していたのです」
柚は稚夜に支えられながら、身体を起こした。
「凄いじゃないか、稚夜。ありがとう、おかげで命拾いした」
稚夜は柚に褒められると、照れ臭そうに顔を赤らめた。
「本当は陰陽道を勉強することは禁止されているのですが、僕にできることといったらこれくらいで……」
「禁止されてる? なぜだ、こんなに凄い技なのに。陰陽道を使えば物の怪も退治できるんじゃないのか?」
稚夜は柚から一瞬目を離すと、重い口を開いた。
「その通りです。
陰陽道は、天照大神の子孫のように持って生まれた神々の力がなくても、陰陽道を勉強すれば物の怪に対抗できるのです。
けれど、それに難色を示したのが、僕の父、先代の帝でした。
物の怪に対抗できるのは、天皇家の一族だけでいいと、陰陽道を継承する一族を絶やそうと皆殺しにしたのです。
唯一生き残ったのは、一族の巫女だった僕の母上でした。
母上に一目惚れした父は、無理やり母上を娶り、そして僕が生まれたのです」
「渾天儀とは、天文上の変異を知るために天文観測に用いた道具のことです。
僕は暁兄様のような力はないから、暦と陰陽道を駆使して物の怪に対抗しようと勉強していたのです」
柚は稚夜に支えられながら、身体を起こした。
「凄いじゃないか、稚夜。ありがとう、おかげで命拾いした」
稚夜は柚に褒められると、照れ臭そうに顔を赤らめた。
「本当は陰陽道を勉強することは禁止されているのですが、僕にできることといったらこれくらいで……」
「禁止されてる? なぜだ、こんなに凄い技なのに。陰陽道を使えば物の怪も退治できるんじゃないのか?」
稚夜は柚から一瞬目を離すと、重い口を開いた。
「その通りです。
陰陽道は、天照大神の子孫のように持って生まれた神々の力がなくても、陰陽道を勉強すれば物の怪に対抗できるのです。
けれど、それに難色を示したのが、僕の父、先代の帝でした。
物の怪に対抗できるのは、天皇家の一族だけでいいと、陰陽道を継承する一族を絶やそうと皆殺しにしたのです。
唯一生き残ったのは、一族の巫女だった僕の母上でした。
母上に一目惚れした父は、無理やり母上を娶り、そして僕が生まれたのです」