朱雀の婚姻～俺様帝と溺愛寵妃～
「来なさい」


　貴次は柚の手首を引っ張って、強引に歩き始めた。


「痛いってば！ どこ行くんだよ、離せよ！」


　貴次は柚を生垣の前まで連れてくると、強引に押し倒した。


「わっ！」


「淫乱め。そんなに男に抱かれたいなら、私が抱いてやる」


「何言ってんだよ！ どけろっ！」


　柚は力の限り抵抗した。手足をばたつかせたり、貴次の腕に噛みついたりしたが、貴次は平気な顔で柚を抑えつけている。


「このまま黙って帝のものになるのを、指をくわえて見ているほど、私は寛大ではない。

帝のものになる前に、私のものにさせてやる」


「ふざけんな！ 人を物扱いしやがって！ 誰がお前のものになんかなるか！」


「そんな威勢のいいことを言っていられるのも今のうちだ。

せいぜい泣き喚くがいい。

とはいってもお前は淫乱だから、途中から歓びの泣き声に変わるだろう」


　貴次の目が、冗談ではなく本気であると物語っていた。


途端に恐怖へと変わる。
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