朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
第二十二話 囚われた妃
柚が目を覚ますと、湿った薄暗い洞窟の奥にいた。
どうしてこんな所に、と思い身体を起こすと手首と手足が紐で縛られていることに気が付いた。
なんとか上半身だけは起こせたが、立ち上がることはできない。
柚は捕らわれたことに気が付いて、慌てだした。
「目を覚ましましたか」
暗い洞窟の中で人影が浮かび上がる。
貴次は普段の武官の服とは異なり、全身黒の狩衣に身を包んでいた。
狩衣を着た貴次は、精悍な顔付きが一層映え、独特の妖しい色気を帯びていた。
「貴次! お前が私を捕えたのか!?」
柚が貴次に向かって叫ぶと、貴次の後ろから由良が現れた。
由良は罰が悪そうに俯き、柚の顔を決してみようとしない。
「由良……。どうして」
由良が作ってくれたお茶を飲み、意識を失ったことを思い出した。
この状況から、由良が柚を騙し眠らせたことは明らかだった。
由良のことを心から信頼していただけに、柚はとても傷付いた。
どうしてこんな所に、と思い身体を起こすと手首と手足が紐で縛られていることに気が付いた。
なんとか上半身だけは起こせたが、立ち上がることはできない。
柚は捕らわれたことに気が付いて、慌てだした。
「目を覚ましましたか」
暗い洞窟の中で人影が浮かび上がる。
貴次は普段の武官の服とは異なり、全身黒の狩衣に身を包んでいた。
狩衣を着た貴次は、精悍な顔付きが一層映え、独特の妖しい色気を帯びていた。
「貴次! お前が私を捕えたのか!?」
柚が貴次に向かって叫ぶと、貴次の後ろから由良が現れた。
由良は罰が悪そうに俯き、柚の顔を決してみようとしない。
「由良……。どうして」
由良が作ってくれたお茶を飲み、意識を失ったことを思い出した。
この状況から、由良が柚を騙し眠らせたことは明らかだった。
由良のことを心から信頼していただけに、柚はとても傷付いた。