朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
貴次が柚に近付き、目線の高さを柚に合わせるために片膝を下げる。
貴次の指が、柚の顎を持ち上げ、柚と貴次の顔の距離がぐっと縮まった。
柚は貴次に襲われたことを思い出し、貴次を睨みつけた。
(もう二度と会いたくなかったのに)
悔しさで奥歯を噛んだ。
貴次は何の目的があって柚をこんな目に合わせたのか分からないが、貴次を見るだけで怒りと恐怖で身体が震える。
「もしかして、貴次の指示で由良にこんなことさせたのか」
「ええ、そうですよ」
「なんでこんなこと!」
柚は手足を縛られながらも上半身を突き出し食いかかろうとした。
しかし貴次は気に留める様子もなく口元に不気味な笑みをつくった。
「帝を一人おびき出すためですよ。
一人で来なければ朱雀の巫女を殺すと文を書いた。
結界を張ったこの場所に来れば、帝は手も足も動かなくなり、やすやすと私に殺されるでしょう」
「そんな罠に暁が引っかかるか!」
「来ますとも。例え罠と分かっていても。自分が死ぬかもしれないと思っていても、帝は必ず一人で来ます」
貴次の指が、柚の顎を持ち上げ、柚と貴次の顔の距離がぐっと縮まった。
柚は貴次に襲われたことを思い出し、貴次を睨みつけた。
(もう二度と会いたくなかったのに)
悔しさで奥歯を噛んだ。
貴次は何の目的があって柚をこんな目に合わせたのか分からないが、貴次を見るだけで怒りと恐怖で身体が震える。
「もしかして、貴次の指示で由良にこんなことさせたのか」
「ええ、そうですよ」
「なんでこんなこと!」
柚は手足を縛られながらも上半身を突き出し食いかかろうとした。
しかし貴次は気に留める様子もなく口元に不気味な笑みをつくった。
「帝を一人おびき出すためですよ。
一人で来なければ朱雀の巫女を殺すと文を書いた。
結界を張ったこの場所に来れば、帝は手も足も動かなくなり、やすやすと私に殺されるでしょう」
「そんな罠に暁が引っかかるか!」
「来ますとも。例え罠と分かっていても。自分が死ぬかもしれないと思っていても、帝は必ず一人で来ます」