朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
貴次は冷笑を浮かべて、洞窟内に置かれている大きな鏡を指さした。
その鏡には馬に乗って森の中を駆けている暁の姿が映し出されていた。
柚は驚きと失望のあまり声を出すことができなかった。
鏡の中の暁はとても険しい顔をしていた。
いつもの優しい暁の雰囲気とは異なり、本気で怒っているのが伝わってくる。
「この洞窟には朱雀も近付けない結界を張りました。
帝の妃が朱雀の巫女になると聞いた時、一番懸念したのは朱雀の存在でした。
いいところで朱雀に邪魔をされてはかないませんからね。
もう誰にも私を止められる者はいない」
貴次は不気味に笑った。
ぞっとするような冷酷な微笑みに、稽古中時折見られた親しみやすい笑顔を見せる貴次はもはやどこにもいなかった。
まるで別人のような雰囲気に、柚は身が震えるほど恐ろしいと思った。
その鏡には馬に乗って森の中を駆けている暁の姿が映し出されていた。
柚は驚きと失望のあまり声を出すことができなかった。
鏡の中の暁はとても険しい顔をしていた。
いつもの優しい暁の雰囲気とは異なり、本気で怒っているのが伝わってくる。
「この洞窟には朱雀も近付けない結界を張りました。
帝の妃が朱雀の巫女になると聞いた時、一番懸念したのは朱雀の存在でした。
いいところで朱雀に邪魔をされてはかないませんからね。
もう誰にも私を止められる者はいない」
貴次は不気味に笑った。
ぞっとするような冷酷な微笑みに、稽古中時折見られた親しみやすい笑顔を見せる貴次はもはやどこにもいなかった。
まるで別人のような雰囲気に、柚は身が震えるほど恐ろしいと思った。