朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「まさか……男?」
「いかにも。私は正真正銘の男だ」
「なんで女の格好なんかっ!」
「男の格好をしていたお主に言われたくはない」
「私は男の格好をしていたんじゃない!」
「待て」
突然、女の格好をしていた男の顔色が変わった。
何やら耳を澄まし、唇に人差し指を当て集中している。
柚も耳を澄ませると数頭の馬の蹄の音がした。
男は柚の手をぐっと引き、築地の壁に寄せ、柚を抱きしめるように身を屈めた。
「ちょっ……」
「静かに!」
男が切羽詰まった様子で身を隠していたので、柚は声を出すことができなかった。
男は馬の蹄が聞こえなくなるまで身を屈め、柚を胸板に押し続けた。
抱きしめられると、しっかりとした筋肉の厚みが感じられた。
どうしてか弱い女だと思うことができたのか不思議なくらい、紛れもない男だった。
筋張った固い腕に抱きしめられ、男の匂いを嗅ぐと、柚はなんだか胸がドキドキしている自分に気が付いた。
何しろ男の人に抱きしめられたのはこれが初めてなのである。
ドキドキするなという方が無理である。
「いかにも。私は正真正銘の男だ」
「なんで女の格好なんかっ!」
「男の格好をしていたお主に言われたくはない」
「私は男の格好をしていたんじゃない!」
「待て」
突然、女の格好をしていた男の顔色が変わった。
何やら耳を澄まし、唇に人差し指を当て集中している。
柚も耳を澄ませると数頭の馬の蹄の音がした。
男は柚の手をぐっと引き、築地の壁に寄せ、柚を抱きしめるように身を屈めた。
「ちょっ……」
「静かに!」
男が切羽詰まった様子で身を隠していたので、柚は声を出すことができなかった。
男は馬の蹄が聞こえなくなるまで身を屈め、柚を胸板に押し続けた。
抱きしめられると、しっかりとした筋肉の厚みが感じられた。
どうしてか弱い女だと思うことができたのか不思議なくらい、紛れもない男だった。
筋張った固い腕に抱きしめられ、男の匂いを嗅ぐと、柚はなんだか胸がドキドキしている自分に気が付いた。
何しろ男の人に抱きしめられたのはこれが初めてなのである。
ドキドキするなという方が無理である。