朱雀の婚姻～俺様帝と溺愛寵妃～
奔放で時に我儘だったりすることもあるが、いい意味で人たらしだった。


末端の家来の顔や名前を覚え、親しげに話しかけるので、人々は暁の人柄に惚れ込み、多少の強引さも仕方ないかと諦めてしまう。


　最初はその暁の性格に戸惑った。


飾らない性格で、すぐに打ち解ける。


周りは皆、異例の出世を果たし、人見知りで近寄り難い雰囲気を放つ貴次を毛嫌いしていたのに、暁だけが貴次を受け入れてくれた。


帝なのに豪快な笑い声を上げたり、「貴次は真面目すぎて窮屈だ」と子供みたいに口をすぼめてムッとしてみたり。


また、相談もなしに突然平城宮を抜け出し、女装して都を歩くなど時に常識外れのとんでもないことをやらかす帝だったが、嫌いになることはできなかった。


　誰よりも努力し、誰よりも国を想っていることは近くにいればいるほど感じることができた。


なんだかんだで貴次を頼りにして、信頼を寄せてくれていることも感じ取れた。
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