朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
だから、暁を殺すことはできなかった。
何度もチャンスがあったのに、色々な言い訳を頭で考えてその機会をふいにしてきた。
貴次は、暁が好きだった。
男が男に惚れるとはこういうことをいうのだろうと思った。
恋愛感情とは全く別の、好敵手を認める気持ちだった。
できれば殺したくなかった。
このまま朱凰国の帝として立派に国を統治してほしいとさえ思った。
しかし、物の怪と契約してしまった為、もう引き戻ることはできなくなっていた。
貴次の胸に宿る物の怪は、貴次の意思とは無関係に時に残酷に貴次を操る。
貴次の弱さに付け込んで、柚を犯そうとしたこともその一つだ。
貴次の意思が全くないわけではない。
しかし、物の怪は貴次の心の闇を増大させるのだ。
貴次はもう人間ではなかった。
物の怪に操られる悪鬼となっていた。
もう本来の優しい貴次に戻ることは不可能だった。
何度もチャンスがあったのに、色々な言い訳を頭で考えてその機会をふいにしてきた。
貴次は、暁が好きだった。
男が男に惚れるとはこういうことをいうのだろうと思った。
恋愛感情とは全く別の、好敵手を認める気持ちだった。
できれば殺したくなかった。
このまま朱凰国の帝として立派に国を統治してほしいとさえ思った。
しかし、物の怪と契約してしまった為、もう引き戻ることはできなくなっていた。
貴次の胸に宿る物の怪は、貴次の意思とは無関係に時に残酷に貴次を操る。
貴次の弱さに付け込んで、柚を犯そうとしたこともその一つだ。
貴次の意思が全くないわけではない。
しかし、物の怪は貴次の心の闇を増大させるのだ。
貴次はもう人間ではなかった。
物の怪に操られる悪鬼となっていた。
もう本来の優しい貴次に戻ることは不可能だった。