朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
唇が重なり合う。


驚いた柚は身体を強張らせたが、そのままじっとしてろと言われたので、目を瞑ったまま動かなかった。


朱雀をすっかり信用している柚は、これはキスではなく儀式なのだと思ったからである。


実際は、そんなことしてなくて生き返られるのだが。

 
調子に乗った朱雀は柚の唇を舌で開かせた。


突然口の中に侵入してきた朱雀の舌に驚いて柚は目を開けたが、朱雀は柚が逃げられないようにしっかりと肩を掴んでいた。


「んんっ!」


 柚は驚いて抗議の声を上げる。


しかし朱雀は唇を押し付けたまま悠々と瞼を閉じていた。


 すると朱雀の口の中から大きな飴玉くらいの柔らかく温かいものが柚の口の中へと移っていった。


その丸いものは単独で意思があるかのように動き、柚の中へと入っていく。


驚きながらもそれを飲み込むと、朱雀の身体が光った。


丸いものが咽を通り、胸の中に入っていくと身体が熱くなっていくのを感じた。


内側からじわじわと侵食されていく。


柚の身体の奥に朱雀の魂が入っていき、一つに溶け合う感覚がした。
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