朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
暁は言葉を詰まらせた。


必死に涙を堪えている様子の暁を見て、柚は生き返ることができて良かったと心から思った。


「ごめんな、悲しませて」


 柚は暁の頬を指先でそっと撫でた。


暁はじっと涙を堪えているようで、言葉が出せず唇が少し震えていた。


「これからはずっと、暁の側にいるから」


 柚の言葉に堪らなくなった暁は、力強く柚を抱きしめた。


「いてて。痛いよ、暁」


 柚は暁に抱きしめられながら笑って言った。


暁は腕の力を緩めず、柚をぎゅっと抱きしめて、柚の香りを吸い込むように瞳を閉じた。


「もう離しはしない」


 暁はその勢いのまま、柚に口付けした。


柚は驚きながらも、愛しい暁の唇の感触に幸せを感じた。


そしてそっと瞼を閉じる。


 雨が上がり、朝日が輝きはじめた。
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