朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
また、貴次が実は兄であり、そして稚夜を帝にさせるために物の怪に魂を売って最後は物の怪に喰われ亡くなったことを知った稚夜は、ショックを受けしばらく塞ぎ込んでいた。


しかし、暁が

「元凶は父が陰陽師一族を無慈悲に抹殺したことが悪いのだ。貴次にも稚夜にも辛い思いをさせてしまった。

兄を救うことができずすまなかったな。許せ、稚夜」

と言って励ましてくれたことに感動した稚夜は、これまで以上に勉強を頑張り暁に尽くしていこうと決意したのだった。


 そして柚は、貴次に殺されたのにも関わらず生き返ることができたので、不思議な力があると認識され、朱雀の巫女は平和をもたらす稀有なものとして一層大事に扱われた。


これまでは本当に柚が伝説の朱雀の巫女なのか疑う者も多かったが、今はそんなことを言う者はいない。


皆、柚に最大限の敬意を払うようになり、柚は平城宮で帝に次ぐ盤石の地位を築いた。
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