朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
おまけ 番外編
あかつき我慢する、の巻
「御髪(おぐし)、伸びてきましたね」
由良は香油をつけた櫛(くし)で、柚の髪を丁寧に梳(と)かしながら、目を細め優しい声色で言った。
寝起きに部屋の隅で、母が子供の頭を撫でるような優しい手付きで髪を梳かされていたので、ついウトウトしていた柚は、由良の言葉にハッと目を覚ました。
近くに置いてあった柚の顔より少しだけ大きめの手鏡を拾い上げ、しげしげと自分の髪の毛を見る。
サラサラの黒髪は香油をつけられたことにより、艶やかな輝きを放っている。
柚が朱凰国に来てから早数カ月が経過し、その間に一度も髪を切っていないので、襟足は肩につくぐらいまで伸び、耳が見えていた横髪は、今ではすっかり隠れ、頬骨の辺りまで長くなっていた。
髪が伸びたことによって、男の子に間違われていた顔立ちは、中性的な雰囲気となり蠱惑(こわく)的な魅力を放っていた。
どんどん綺麗になっていく柚を見て、由良はいつもうっとりと魅入ってしまう。健康的な黒髪も、しなやかな身体も、女から見てもとても魅力的だ。
それに柚は元々、同性にモテるタイプだったので、柚の不思議な色気は由良をすっかり魅了していた。
由良だけではない。
鬘をせず堂々と宮内を歩くようになった柚は、今では後宮の女たちからも羨望の眼差しで見つめられている。
物の怪の脅威から救ってくれた朱雀の巫女だから、ということを抜きにしても、柚は人々を魅了する不思議な魅力の持ち主だった。
由良は香油をつけた櫛(くし)で、柚の髪を丁寧に梳(と)かしながら、目を細め優しい声色で言った。
寝起きに部屋の隅で、母が子供の頭を撫でるような優しい手付きで髪を梳かされていたので、ついウトウトしていた柚は、由良の言葉にハッと目を覚ました。
近くに置いてあった柚の顔より少しだけ大きめの手鏡を拾い上げ、しげしげと自分の髪の毛を見る。
サラサラの黒髪は香油をつけられたことにより、艶やかな輝きを放っている。
柚が朱凰国に来てから早数カ月が経過し、その間に一度も髪を切っていないので、襟足は肩につくぐらいまで伸び、耳が見えていた横髪は、今ではすっかり隠れ、頬骨の辺りまで長くなっていた。
髪が伸びたことによって、男の子に間違われていた顔立ちは、中性的な雰囲気となり蠱惑(こわく)的な魅力を放っていた。
どんどん綺麗になっていく柚を見て、由良はいつもうっとりと魅入ってしまう。健康的な黒髪も、しなやかな身体も、女から見てもとても魅力的だ。
それに柚は元々、同性にモテるタイプだったので、柚の不思議な色気は由良をすっかり魅了していた。
由良だけではない。
鬘をせず堂々と宮内を歩くようになった柚は、今では後宮の女たちからも羨望の眼差しで見つめられている。
物の怪の脅威から救ってくれた朱雀の巫女だから、ということを抜きにしても、柚は人々を魅了する不思議な魅力の持ち主だった。