朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「んんっ!」


 あまりの勢いに圧倒されて、柚は暁の身体を押し退けようとするが、暁は柚の身体をしっかり抱きしめたまま離さない。


勢いは更に加速し、柚の歯と歯の間を舌で無理やりこじ開けて、柚への溢れんばかりの想いを押し込むように舌を侵入させた。


久しぶりの貪るようなキス。


頭の芯が痺れるような熱いキスは、初めてキスした時以来だった。


その後も二人はキスを重ねていっていたが、暁が必死に理性を保って激しくなりすぎないように抑えていたので、腰がくだけるような熱いキスは久々だった。


 柚は暁がこれまで加減してキスをしていたことなど知らないので、いつものキスとはあまりにも違う感覚に戸惑いを隠せなかった。


しかも、自分の身体がどんどん火照(ほて)っていくので、少し恐怖すら覚えた。


 いつもなら、柚のそんな反応を見て自制をかけ止めることができた暁だったが、柚の告白を聞いてしまった今、自制はどこかに吹き飛んでしまった。


柚が、自分の身体の変化に恐怖を感じていることさえ汲み取れなかった。


今まで抑えていた分、喜びが爆発してしまっていた。


 暁はもう、キスでは物足りなくなっていた。


柚を愛する気持ちが止められない。何度も深いキスをしながら、柚の身体を持ち上げ移動していく。


庭から部屋へと上がり、器用にキスをしながら、どんどん寝台へと近づいていく。


柚はもう、何がなんだか分からないまま、気が付いたら寝台に横になり暁に組み敷かれていた。
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