朱雀の婚姻～俺様帝と溺愛寵妃～
暁はニコリと笑ったが、柚はその話を聞いて顔が真っ青になった。


確かに柚は暁と結婚する覚悟を決めた。


好きだから何の問題もない。


けれど、それとこれとはまた別の話だった。


いつかはそういうことになるかもしれないが、それは今ではないはずだった。


お互いの気持ちを確認し合い、両想いとなって、それから徐々に距離が縮まっていくものだと思っていた。


そう、柚が育った現代では、告白して両想いとなった二人は恋人同士となり、デートを重ね、互いの距離を少しずつ縮めて一つとなり、やがて結婚するというのが常識だった。


　柚も本当はまずは暁と恋人同士になって時を重ねていきたかった。


けれど、暁の立場とか、この世界の常識を考えると、付き合うという概念はないのだろうなと思って諦めていた。


けれど柚は、暁のことが大好きだし、一生一緒にいたいし、妻になりたいと思ったので結婚を受託したのだ。


　だからといって告白してすぐにそんなことをするとは思ってもいなかった。


心の準備がまだまだなのである。


柚は必死になって暁を止めた。
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