朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
次の日、柚は清涼殿と紫宸殿の中間あたりにある校書殿の北部に置かれた蔵人(くろうど)という書籍や御物の管理や事務全般を行う場所にいた。
その蔵人と呼ばれる一角の中で、使われていない学校の教室くらいの大きさの建物に机と椅子が用意され、真ん中でぽつんと一人勉強している。
そこには柚と如月(きさらぎ)という教育係りがいるのみだった。
ここで柚は、教育係りに見張られながら、朱凰国の歴史や風土、しきたり作法などを勉強している。
これまでは柚に教育を施そうなどと言い出す者はいなかったので、勉強をする必要がなかった。
あまり柚と関わり合いを持ちたくないというのが人々の気持ちだった。
しかし物の怪の脅威がなくなり、帝の妃として相応しいと周囲が認めた途端、柚の置かれた環境も劇的に変わった。
帝の妃になる以上、最低限の礼儀作法は覚えてもらわねばならないし、朱凰国についても知ってもらわなければならない。
かくして、柚は学校の大嫌いな勉強から解放されたと喜んでいたのも束の間、それ以上の厳しい勉強が待っていたのであった。
その蔵人と呼ばれる一角の中で、使われていない学校の教室くらいの大きさの建物に机と椅子が用意され、真ん中でぽつんと一人勉強している。
そこには柚と如月(きさらぎ)という教育係りがいるのみだった。
ここで柚は、教育係りに見張られながら、朱凰国の歴史や風土、しきたり作法などを勉強している。
これまでは柚に教育を施そうなどと言い出す者はいなかったので、勉強をする必要がなかった。
あまり柚と関わり合いを持ちたくないというのが人々の気持ちだった。
しかし物の怪の脅威がなくなり、帝の妃として相応しいと周囲が認めた途端、柚の置かれた環境も劇的に変わった。
帝の妃になる以上、最低限の礼儀作法は覚えてもらわねばならないし、朱凰国についても知ってもらわなければならない。
かくして、柚は学校の大嫌いな勉強から解放されたと喜んでいたのも束の間、それ以上の厳しい勉強が待っていたのであった。