朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「ちょっと待て。もしかしてお手付きって、暁と肉体関係のあった女の人のことか?」
「まあ、率直に言えばそういうことでございます」
柚は途端に顔が真っ青になった。
「暁って、女たらしだったのか!?」
柚は椅子から立ち上がり、大きな声で叫んだ。
如月は何を今さら、と思った。
暁の女たらしぶりは、一部では有名な話である。
もちろん柚も知っているものだと思ったし、権力のある男が複数の女性と関係を持つのは当然の話である。
それに驚きショックを受けるなど愚かしいことだった。
「先程柚様は、あの女性(ひと)とおっしゃいましたね。何かあったのでございますか?」
柚は取り乱してしまった自分にハッとして、萎(しお)れた様子で椅子に座り直した。
「うん、実は昨日、ある女性から、あなたはわたくしと同じお手付きの立場と一緒だって言われたんだ。
その時はお手付きの意味が分からなくて、何も言い返せなかったけど、まさかあの人と暁がそんな関係だったなんて」
「自分からお手付きだと名乗るとは、昇香(しょうか)殿しかいらっしゃらないでしょうね。
あの方は少々風変りな女性なので、柚様が気になさる必要はございません。
お気に召さなければ追放してもいいのですよ」
「まあ、率直に言えばそういうことでございます」
柚は途端に顔が真っ青になった。
「暁って、女たらしだったのか!?」
柚は椅子から立ち上がり、大きな声で叫んだ。
如月は何を今さら、と思った。
暁の女たらしぶりは、一部では有名な話である。
もちろん柚も知っているものだと思ったし、権力のある男が複数の女性と関係を持つのは当然の話である。
それに驚きショックを受けるなど愚かしいことだった。
「先程柚様は、あの女性(ひと)とおっしゃいましたね。何かあったのでございますか?」
柚は取り乱してしまった自分にハッとして、萎(しお)れた様子で椅子に座り直した。
「うん、実は昨日、ある女性から、あなたはわたくしと同じお手付きの立場と一緒だって言われたんだ。
その時はお手付きの意味が分からなくて、何も言い返せなかったけど、まさかあの人と暁がそんな関係だったなんて」
「自分からお手付きだと名乗るとは、昇香(しょうか)殿しかいらっしゃらないでしょうね。
あの方は少々風変りな女性なので、柚様が気になさる必要はございません。
お気に召さなければ追放してもいいのですよ」