朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
次の日、暁は政務の合間に新居建築の進み具合を見に来ていた。
見学に来るのは、もはや暁の日課となっているので、誰も暁を気にも留めず作業に集中している。
目に見えて作業が進んでいるので、見ているだけで楽しかった。
新居完成は近いなと思いながら、職人たちの仕事ぶりを満足気に眺めていたのだった。
「帝っ! やはりここにおりましたか」
遠くから役人が汗をかきながら走ってきた。
「なんだ、もう会議の時間か?」
「いえ、そうではないのですが、柚様付きの侍女が帝に会わせろと煩いのです」
「由良が? 一体何の用だろう。良い、ここに連れて参れ」
数分後、役人は由良を連れて戻ってきた。
「お前から余に会いたいと願い出るのは珍しいな。どうした、柚に何かあったのか?」
役人の後ろにいた由良は、お椀型の陶器を大事そうに抱えながら、しずしずと前に出た。
「はい、柚様が帝にぜひ召し上がってほしいと甘味をお作りになられたので、一刻も早くお届けしたいと参ったのでございます」
「柚が!? 余の為に!?」
「はい、こちらでございます」
柚は花柄をあしらったお椀型の陶器を帝に献上した。
陶器の中には色鮮やかな寒天が入っていた。
見学に来るのは、もはや暁の日課となっているので、誰も暁を気にも留めず作業に集中している。
目に見えて作業が進んでいるので、見ているだけで楽しかった。
新居完成は近いなと思いながら、職人たちの仕事ぶりを満足気に眺めていたのだった。
「帝っ! やはりここにおりましたか」
遠くから役人が汗をかきながら走ってきた。
「なんだ、もう会議の時間か?」
「いえ、そうではないのですが、柚様付きの侍女が帝に会わせろと煩いのです」
「由良が? 一体何の用だろう。良い、ここに連れて参れ」
数分後、役人は由良を連れて戻ってきた。
「お前から余に会いたいと願い出るのは珍しいな。どうした、柚に何かあったのか?」
役人の後ろにいた由良は、お椀型の陶器を大事そうに抱えながら、しずしずと前に出た。
「はい、柚様が帝にぜひ召し上がってほしいと甘味をお作りになられたので、一刻も早くお届けしたいと参ったのでございます」
「柚が!? 余の為に!?」
「はい、こちらでございます」
柚は花柄をあしらったお椀型の陶器を帝に献上した。
陶器の中には色鮮やかな寒天が入っていた。