朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
柚が眠りに落ちてから一刻ほど後、ズシリと重石が乗せられたような圧迫感がした。


しかも、なんだか身体がくすぐったい。


重たい目を開けると、暁が上に乗っていた。


「うわあ! 何してんだよ!」


 柚は驚いて暁を押し返そうとしたけれど、なんだか妙に身体が重くて力が入らない。


不思議な匂いがするし、頭もボーっとする。


「なにって、同じ部屋で男と女が二人。することといったら一つしかあるまい」


「当然のことのように言うな! 私はそんなこと許してない!」


「それにしては柚は隙があり過ぎる。こんな無防備な姿で寝られたら、襲ってくれと言っているようなものだぞ」


「なっ!」


 確かに警戒していなかったことは確かだ。


いつも男に間違われていたので、自分を女として見る男がいるなんて考えてもいなかったのだ。


「柚、大丈夫だ。私に身を任せていれば悪いようにはせぬ」


 暁は優しく柚を抱きしめ、首筋にキスを落とした。


「やっ……馬鹿! やめろ!」


 拒みたいのに、身体に上手く力が入らない。


これでは口では文句を言いながらも受け入れていると思われてしまう。


柚の焦りとは裏腹に、暁は慣れた手つきで着物を脱がそうとしていた。
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