朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
しかし、全てを聞いた如月は呆気に取られた様子で言葉を失っている。
その反応を見て柚は、第三者から見ても暁のしたことは、言葉を失うほど呆れた軽薄すぎる行動であったのだと思った。
柚がショックを受けて落ち込むことは、当然のことだったのだと肯定してくれたようで嬉しかった。
だが、沈黙を破って如月の口から出た言葉は、まったく想像もしていなかった考えだった。
「何様のつもりでございますか?」
「……え?」
柚を同情する言葉を期待していただけに、予想外すぎる言葉に聞き間違いかと思い、思わず聞き返した。
「天然でこんなことで悩んでいるのだとしたら、無知を通り越して馬鹿ですね。馬鹿だなと思っておりましたけど、ここまで馬鹿だとは思いませんでした。いやもう驚いて言葉が出ませんでした」
「ば……馬鹿? え、誰が?」
「柚様に決まっているでしょう。というかもう、様とかつけるのも馬鹿らしくなってきました。お前でいいですかね、いいですよね」
「ちょっと待て。急にどうしたんだよ」
「急にではありません。ずっと思っておりましたよ。
なんで私がこんな教養もなくがさつで男みたいな小娘に教えなければいけないのかと。
しかし、帝の妃となられる御方なので、溢れ出そうになる罵詈雑言をぐっと堪えて私の仕事を全うしておりました。
ですが、先程の話を聞いて下手に出て接するのが心底馬鹿らしくなりました。あなたは帝の妃に相応しくない!」
その反応を見て柚は、第三者から見ても暁のしたことは、言葉を失うほど呆れた軽薄すぎる行動であったのだと思った。
柚がショックを受けて落ち込むことは、当然のことだったのだと肯定してくれたようで嬉しかった。
だが、沈黙を破って如月の口から出た言葉は、まったく想像もしていなかった考えだった。
「何様のつもりでございますか?」
「……え?」
柚を同情する言葉を期待していただけに、予想外すぎる言葉に聞き間違いかと思い、思わず聞き返した。
「天然でこんなことで悩んでいるのだとしたら、無知を通り越して馬鹿ですね。馬鹿だなと思っておりましたけど、ここまで馬鹿だとは思いませんでした。いやもう驚いて言葉が出ませんでした」
「ば……馬鹿? え、誰が?」
「柚様に決まっているでしょう。というかもう、様とかつけるのも馬鹿らしくなってきました。お前でいいですかね、いいですよね」
「ちょっと待て。急にどうしたんだよ」
「急にではありません。ずっと思っておりましたよ。
なんで私がこんな教養もなくがさつで男みたいな小娘に教えなければいけないのかと。
しかし、帝の妃となられる御方なので、溢れ出そうになる罵詈雑言をぐっと堪えて私の仕事を全うしておりました。
ですが、先程の話を聞いて下手に出て接するのが心底馬鹿らしくなりました。あなたは帝の妃に相応しくない!」