朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
由良は複雑な心境で、帝付きの采女に柚が訪問を許可したことを伝えた。


あとは帝がどう出るか。


自分が余計なことをしてしまったがために二人の仲がおかしくなってしまったので、もう自分は何もするまいと思っていた。


祈るような気持ちで帝の訪れを待つ。


(落ち込む柚様を癒してさしあげられるのは帝だけでございます。

身体の結びつきはなくとも、二人は愛し合っておいでです。

そうです、愛があればいいではないですか。

例え世継ぎができなくとも、二人が愛し合っていさえすれば何の問題もないではないですか。

ああ、そうだわ。

わたくしは何て小さなことに囚われていたのでしょう。

どうか帝の大きな愛で、柚様を幸せにしてやってくださいませ)
< 297 / 342 >

この作品をシェア

pagetop