朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
その夜、柚は久しぶりに薄衣を身に纏い、軽く化粧をして暁の訪れを待っていた。
采女が歩く衣擦れの音の後に、男らしく歩を進める暁の足音が近づいてきて、柚の心臓は煩いほど鳴っていた。
久しぶりに会う暁。
どんな顔をして会えばいいいいのか分からない。
けれど、どうしても伝えなければいけないことがある。
柚は覚悟を決めて、暁の到着を待った。
一方、あれからずっと訪問を拒絶されていたのに、突然柚の方から呼ばれて、暁は少し戸惑っていた。
嬉しい気持ちもある反面、不安な気持ちもあった。
柚は許してくれたのか。
それともまだ怒っているのか。
あの状況では仕方なかったこととはいえ、柚にあのような場面を見られ傷つけてしまったことは事実なので、暁の心に重い石のように罪悪感がずっしりと残っていた。
采女が施錠具を外し、扉を開けると一礼をして去っていった。
暁は戦に挑むような気持ちで、ぐっと腹に力を込めて部屋に入った。
柚は珍しく正座をし、三つ指を立てて頭を下げている。
帝が来る時の正式な待ち方なのだが、なんだか他人行儀な気がして柚との間に壁を感じた。
采女が歩く衣擦れの音の後に、男らしく歩を進める暁の足音が近づいてきて、柚の心臓は煩いほど鳴っていた。
久しぶりに会う暁。
どんな顔をして会えばいいいいのか分からない。
けれど、どうしても伝えなければいけないことがある。
柚は覚悟を決めて、暁の到着を待った。
一方、あれからずっと訪問を拒絶されていたのに、突然柚の方から呼ばれて、暁は少し戸惑っていた。
嬉しい気持ちもある反面、不安な気持ちもあった。
柚は許してくれたのか。
それともまだ怒っているのか。
あの状況では仕方なかったこととはいえ、柚にあのような場面を見られ傷つけてしまったことは事実なので、暁の心に重い石のように罪悪感がずっしりと残っていた。
采女が施錠具を外し、扉を開けると一礼をして去っていった。
暁は戦に挑むような気持ちで、ぐっと腹に力を込めて部屋に入った。
柚は珍しく正座をし、三つ指を立てて頭を下げている。
帝が来る時の正式な待ち方なのだが、なんだか他人行儀な気がして柚との間に壁を感じた。