朱雀の婚姻～俺様帝と溺愛寵妃～
皆が呆気に取られながら朱雀を見上げていると、これはチャンスとばかりに柚の手から解放された暁は、俊敏な速さで侵入者達を次々に倒していく。


ハッと我に返り、侵入者達は慌てて逃げ出そうとした。


しかし扉から、森で出会った銀色の鎧かぶとを被った精悍な顔立ちの男を先頭に、鎧を身に纏った男たちが入ってきて、逃げようとしていた侵入者を次々に捕えていった。


　それはあっという間の出来事だった。


柚が座り込んで呆けている間に、暁と鎧をつけた男達は阿吽の呼吸で全員を縛り上げた。


全てが終わると、天井のいたはずの朱雀の姿が消えていた。


昼のような光はまだ持続していたが、その光も段々と薄れていっているようだった。


　暁は縛り上げた男達を見下ろし、「ふう」と呼吸を整え、ほんの少し乱れた髪をかき上げた。


「帝！ お怪我はありませんか!?」


　銀の鎧かぶとを被った男が、心配そうに暁に駆け寄った。


すると他の鎧をつけた男たちは、暁に向かって膝を落とし頭を下げた。


「うむ、問題ない」


　暁は悠然とした風格で答えた。
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