朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
心底困っている様子の如月を見て、暁はようやく幸せぼけしている頭が冴えてきた。


自分の力で咲くはずのない花を咲かせてしまった庭院を見て、自分の力が少しだけ恐ろしくもなった。


しかし、溢れ出るこの喜びを抑えようにも抑えられない。


「まあ、一気に四季の花々を見れるのは嬉しいが、それでは風流さがなくなってしまうからな。以後、気をつける」


「そうしてください」


 如月は呆れるように言った。


しかし、気をつけるとは言っても、やろうと思ってこの状態になったわけではないので、また柚を抱いたら喜びが爆発して次の日にはもっと凄い状態になっているかもしれない。


でも、疲れ切っている様子の如月にそんなことは口が割けても言えぬと思った。
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