朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「そういえば、柚様は一緒ではないのですか?」


 如月は何気ない様子を装って聞いた。


本当はずっと気になっていたのだが。


「柚はさっき寝付いたところだ。本当はこのままずっと一緒にいたかったのだが、いいかげんに寝させてくれとすごまれてな。あの様子だと昼過ぎまでぐっすりであろう。最初から飛ばし過ぎたかもしれぬ」


 ははははと暁は笑った。


肌艶がよく、十分満足した様子だった。


そんな暁を見て、如月はなぜかズキンと胸が痛んだ。


「それはそれは。これは冗談抜きで、すぐにお世継ぎがお誕生するかもしれませんな」


 豪族の一人が会話に入ってきた。


「うむ。余も楽しみだ。これから毎晩通うぞ」


「妃は大変だ」


「ははははは」


 皆が微笑ましそうに会話している中、如月だけが笑うことができなかった。


しかし、隣で塞ぎ込んでいる如月に、幸せぼけしている暁は全く気が付かないのであった。
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