朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「いや私、権力とか興味ないし」
「それに柚様に与えられたこのお部屋。
大きく素晴らしい造りであることに加え、後宮とは離れた場所に置かれています。
これは女たちから嫉妬され柚様が嫌な思いをしないようにと、帝からの思し召しにございます。
これほどの寵愛を受けておいでながら、これ以上何にご不満があるというのですか」
「不満っていうか、知り合って間もない男と結婚するのは抵抗あるんだよ。
やっぱり結婚するなら好きになった男としたいからさ」
柚は人差し指で鼻を擦りながらキザっぽく言いながらも、自分にはなんて似合わない言葉だろうと思った。
好きになった男としたいって、今まで誰かを好きになったことすらないのに。
「それならきっと大丈夫です。
帝は家来からの信頼も厚く、人格者でもあると聞いております。
そんなお優しい帝からの寵愛を受ければ、好きにならぬ女などいません」
断言する由良を見て、柚は目をぱちくりさせた。
「なあ、もしかして由良、帝のことが好きなのか?」
「まあ、何をおっしゃられるかと思ったら。どうしてそう思ったのですか?」
「いや、あまりにも暁のこと褒めるから」
「ああ、それならご安心くださいませ。わたくしには他に想い人がおりますから」
由良はぽっと頬を桃色に染め、睫毛を伏せた。
「それに柚様に与えられたこのお部屋。
大きく素晴らしい造りであることに加え、後宮とは離れた場所に置かれています。
これは女たちから嫉妬され柚様が嫌な思いをしないようにと、帝からの思し召しにございます。
これほどの寵愛を受けておいでながら、これ以上何にご不満があるというのですか」
「不満っていうか、知り合って間もない男と結婚するのは抵抗あるんだよ。
やっぱり結婚するなら好きになった男としたいからさ」
柚は人差し指で鼻を擦りながらキザっぽく言いながらも、自分にはなんて似合わない言葉だろうと思った。
好きになった男としたいって、今まで誰かを好きになったことすらないのに。
「それならきっと大丈夫です。
帝は家来からの信頼も厚く、人格者でもあると聞いております。
そんなお優しい帝からの寵愛を受ければ、好きにならぬ女などいません」
断言する由良を見て、柚は目をぱちくりさせた。
「なあ、もしかして由良、帝のことが好きなのか?」
「まあ、何をおっしゃられるかと思ったら。どうしてそう思ったのですか?」
「いや、あまりにも暁のこと褒めるから」
「ああ、それならご安心くださいませ。わたくしには他に想い人がおりますから」
由良はぽっと頬を桃色に染め、睫毛を伏せた。