朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「それなら、これから沢山互いのことを知っていけばよい」


「でも、それじゃ順序が逆だろ? お互いのことを知れば知るほど嫌になったらどうするんだ」


「大丈夫だ、それはない」


「なんで言い切れるんだよ」


「余はこれからどんどん柚のことを好きになるし、柚も余のことを必ず好きになる」


「だからなんで……!」


 柚が思わず突っ込みを入れるように暁の肩を軽く叩こうとすると、暁はその手をがしっと掴み、真剣な表情で柚の顔を見つめた。


「なぜなら、余はすでに柚のことが好きだからだ」


 真面目な目付きで告白され、柚は思わず顔がカッと赤くなった。


「んなっ……なに馬鹿なこと言ってるんだよ」


 冗談で言っているんだと分かっていても、生まれて初めて男の人から好きと言われた柚は、動揺して暁の顔がまともに見られない。


そんな柚に暁はなおも真剣な表情で柚を見つめる。


「茶化してなどおらぬ。余は柚が好きだ。そして、余のことを好きにならぬ女などいない」


「はっ、随分な自信だな」


「試してみるか?」


「試す?」


 暁は柚の手首を握ったまま、強引に唇を押し付けてきた。


柚は驚いて逃げようとするが、暁は柚の腰を掴み、それを制する。
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