朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
ここまでくると暁もだんだん由良の策略に気が付いてきて非常に複雑な気持ちになった。


何しろ暁は、その気がないわけでなく、むしろ大ありで、毎日自分の理性と葛藤していたのだから、由良の善意は迷惑以外の何物でもなく、暁の苦悩をさらに増大させる一方だった。


しかし暁は、まさか由良が自分の陰萎を疑ってその気にさせるためにこのような行動を起こしているとは思っておらず、早く世継ぎを作ってほしいという気持ちの表れであろうなと思うので、無下にやめろとは言えない。


こんなに我慢するくらいなら、柚の部屋に行くのを止めようと思うのだが、柚が物の怪を怖がっていることや、柚と話していると楽しいこと。


それに何より柚と一緒にいたいという想いが勝って、毎日柚の元を訪れていた。


由良は、こうやって毎晩訪れるということは、暁の陰萎が直る可能性はまだあるのだと希望を持ち、更に頑張る努力をするのであった。
< 69 / 342 >

この作品をシェア

pagetop