朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
柚が蔽膝を捲り上げ、膝小僧を出しながら走り回っていると、塀の竹垣からガサガサと音が聞こえ、なんだろうと近付いてみると、竹垣の間にある草から、小さな頭がひょっこり出てきた。
「わあ!」
柚は驚き、思わず叫んだ。
しかし、竹垣の間から出てきた人物は、小さな身体を器用にくねらし、何食わぬ顔で庭園の中に入ってきた。
柚が呆気に取られて見ていると、小学1、2年生くらいの男の子は、服についた葉っぱや土を払い、満足そうな笑みを浮かべた。
「やった! 辿り着いたぞ!」
男の子は小さくガッツポーズをした。
切りそろえられた前髪に、黒のおかっぱ頭。
まだあどけない顔をしているが、目鼻立ちは整い、可愛い顔をしている。
「え、えと、君は誰?」
柚が恐る恐る尋ねると、男の子は柚をじっと見つめて、「帝の妃になった方ってお姉さんのことですか?」と逆に聞いた。
「まあ、そうだけど……」
なりたくてなったわけじゃないけどね、という言葉は一端飲み込んで肯定する。
すると利発そうな顔立ちの男の子は嬉しそうに破顔した。
「わあ!」
柚は驚き、思わず叫んだ。
しかし、竹垣の間から出てきた人物は、小さな身体を器用にくねらし、何食わぬ顔で庭園の中に入ってきた。
柚が呆気に取られて見ていると、小学1、2年生くらいの男の子は、服についた葉っぱや土を払い、満足そうな笑みを浮かべた。
「やった! 辿り着いたぞ!」
男の子は小さくガッツポーズをした。
切りそろえられた前髪に、黒のおかっぱ頭。
まだあどけない顔をしているが、目鼻立ちは整い、可愛い顔をしている。
「え、えと、君は誰?」
柚が恐る恐る尋ねると、男の子は柚をじっと見つめて、「帝の妃になった方ってお姉さんのことですか?」と逆に聞いた。
「まあ、そうだけど……」
なりたくてなったわけじゃないけどね、という言葉は一端飲み込んで肯定する。
すると利発そうな顔立ちの男の子は嬉しそうに破顔した。