朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「柚は食べないのか?」


「うん、山芋嫌いだし」


「では、一緒に酒を飲むか」


「馬鹿言うなよ、私未成年だぞ」


「未成年だとなぜ酒が飲めぬ?」


「あ~、説明すんの面倒くさいな。とにかくお酒も飲めないから、暁一人で飲めよ」


「一人で飲むのはつまらぬ。それなら余もいらない」


「せっかく由良が作ってくれたんだから、山芋は食えよ。もったいないだろ」


 柚に強く言われ、暁は渋々、精がつくといわれた山芋を食した。


その隣で柚は、綺麗に結い上げられたかつらを「なんかチクチクして重い」と言って、ポイと投げ捨てた。


すっかり男のような格好になり、寛いでいる柚を見て、暁は男としてとても複雑な思いに駆られた。


一緒にいて緊張されるより、リラックスしてもらった方が嬉しいが、側にいてムラムラしてしまう自分の気持ちをどこに発散すればいいのか、暁は一人悶々としていた。


すると更に、鼻腔を掠めるスパイシーで豊かな香りがした。
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