朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
「頑張るって何を」


「柚を、全力で守ろう」


 暁の真剣な眼差しに、柚は再び胸の鼓動が激しくなった。


「そして、全力で愛すると誓おう」


 柚は、心が武者震いのように震えたつのを感じた。


暁は、柚を見つめ、ゆっくりと顔を近付けた。


突然に唇を奪われた時とは違い、柚の反応を窺うように、ゆっくりと近づいてきているにも関わらず、柚は動くことができなかった。


 暁の唇が柚の唇に優しく重なる。


それは初めてのキスとは全然違うものだった。


柔らかく、温かい、唇の感触がする。


柚は、目を瞑り暁の唇を受け入れた。


柚が拒んでいないと分かっていても、暁は昨晩のように強引に舌を侵入させることはしなかった。


ただ優しく、包み込むように唇を重ねたのであった。
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