朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
暁は優しいし、頼りにしている部分もあるし、一緒にいて落ち着いたり、ドキドキしたりもする。


暁がいなければ、見知らぬ世界に来てしまって、もっと絶望していただろうと思う。


でも暁がいるおかげで、柚はそこまで寂しくはならないし、なんだかんだ毎日笑って生活できている。


暁と出会えてなかったら、こうはいっていないと思う。


 こういう感情が、果たして世にいう恋愛の好きなのか、柚はまだ分からなかった。


何せ初恋もまだだったのだ。


誰かに、例えば由良とかに、これは恋なのか? と聞ければ心のもやもやも解消するだろうが、なんだか気恥ずかしくて相談できなかった。


「それは恋です!」と答えられてしまったら、今の暁との居心地のいい関係が崩れてしまいそうで怖いのかもしれない。


 だから柚は、深く考えないことにした。


そんなことを考えていてもお腹は膨れないし、答えを出さなくても困るわけではない。


今はまあまあ楽しく生活できてるからいっか、という暁や由良にとっては全くもってありがたくない結論に至った。
< 86 / 342 >

この作品をシェア

pagetop