え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
お兄さんの顔にクレープを押し付け、さらにそれをグリグリし出す朝霧。
…機嫌の悪さは最高潮だ。
「人の女に手ぇ出してんじゃねーよ」
そして鋭くクレープまみれになったお兄さんを睨みながら、強くあたしの肩を引き寄せる。
「失せな」
朝霧…
「…っんだよ!男がいるならそう言えよ!」
クレープまみれのお兄さんはそうキレながら、しかし朝霧の睨みがきいたのか全速力でどこかに走り去って行った。
あぁ…もったいない、クレープ…
とあたしが感慨深げにそんなお兄さんの背中を見送っていると
「おい!大丈夫か!?」
あたしの両肩をつかみ、心配そうに顔を覗き込んでくる朝霧。
「何もされてねぇか!?」
「…え、うん、特には、別に…」
朝霧の迫力に圧倒されながらそう答えると
「……マジ、焦った……」
朝霧がハァッと大きく息を吐いて、心底ホッとしたような顔をした。
…朝霧。
「…わりぃな、怖い思いさせて…もう絶対一人になんてしねぇから」
「…う、うん…」
はじめて
朝霧に
なんだか少し
ドキッとしてしまった。