え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
俺はこんな派手な外見だからか女関係はさぞかし派手に見られるが、こんなに初な恋愛をしたのは初めてだった。
アイツが近くを通る度、心臓が速くなる。
アイツの笑顔を見ていると、なんだか眩しくて見ていられなくて、でもずっと見ていたく…
俺は少女マンガの主人公か!?
そんな初な俺は自分から榎波に話しかけることも出来ず、何ヵ月かが経った。
ある日の放課後、教室にケータイを忘れた俺。
取りに行こうと教室のドアに手をかけた時
「――俺は断然春山だな!」
どうやらクラスの男子が何人かで談笑をしているらしい。
テーマはこのクラスの女で誰が一番タイプか、とみた。
くだんねぇー。
はっと軽く息を吐き出し、構わずドアを開けようとすると
「俺は榎波だな!」
何!?!?
突如出たアイツの名前に固まる俺。
そして無意識のうちに耳を澄まし、話に聞き入る。
「えぇ!?榎波!?アイツ色気ねーじゃん(笑)」
(笑)じゃねぇ殺すぞ。
確かにアイツは色気のあるタイプではない。胸は確実にAだし。
でもアイツはああ見えて意外に
「でも榎波って近くで見ると意外に可愛くね!?
性格いいし話しやすいし、俺結構いいと思うけどなぁ」
…こんなことしてる場合じゃねぇと思った。