え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
「帰んぞ」
放課後、いつも通り朝霧があたしのカバンを奪い取る。
「あ゙っ!」
「…何だよ」
変な声を出したあたしを不機嫌そうに見やる朝霧。
「…いや、別に…」
そのカバンの中には…
あたしのマフィンが!!
とは言えず
「行くぞ」
大人しく朝霧に手を引かれるあたし。
まぁ、いいか。
家に着いた時渡せば…
バサバサバサッ
朝霧が下駄箱を開けた瞬間、落ちてきた大量のマフィン。
「うわっ!すごっ!!」
思わず感嘆の声をあげるあたし。
「………」
無言で朝霧がそのうちの一つを拾い上げ、眉をひそめる。
「何だこれ」
「マフィンだよ!
今日家庭科で作ったから」
朝霧ってモテるんだなぁ…
まぁそうだよね。普通にイケメンだし。
こんなに貰えばあたしのなんていらないよね…
…あれ、おかしいな。
なんか、思ったより
…ショック。
「…お前も作ったの?」
「え」
じっとあたしを見つめる朝霧。
「う、うんまぁ」
「……へぇ」
…な、なんだなんだ。
顔に穴あきそうなんですけど!!
「……」
「…………」
暫く変な沈黙が続いた後
「…早く靴履け」
朝霧が不意に顔を逸らしてあたしに背を向けた。
「え、マフィンは?」
「知らねー」
「え!?もったいな!」
「…うるせぇ!」
振り返った朝霧がじっとりとあたしを睨み付ける。
「…いらねぇし」
「でも」
「だから!!」
朝霧があぁっクソッとタイルの床を蹴り飛ばして
「お前の以外いらねーよ!!」
…え。
その言葉を認識した瞬間、高鳴る心臓、あがる体温。
…そ、そそそそれはどうゆう…
「早くしろノロマッ」
「いたっ」