え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
たくさん並んで、たくさんアトラクションにのって(9割絶叫系)、たくさん食べて飲んで
「あー、もう夜かぁー」
「おぉ、そろそろ乗るのラストだな」
遊園地内はイルミネーションに照らされ、すれ違う人は皆、残り僅かな時間を惜しむかのように賑やかに笑っている。
今日もあとちょっとかぁ…
「じゃぁ最後にフリーホー「却下」
「何でよ!?」
言い終わる前に却下され不機嫌になるあたし。
「もう絶叫系は飽きた」
「…もしかして朝霧、あんまり絶叫系得意じゃない?」
心なしか顔色が悪い朝霧。
朝霧は眉をひそめると
「…つーかこんだけ落ちて回って、ピンピンしてんのはお前くらいだアホ」
「何アホって!!」
「あ、あれ、乗るぞ」
ん、と朝霧が顎で指したのは
「観覧車!?」
七色に光輝く、大きな観覧車。
観覧車は嫌いじゃないけど、絶叫系大好きのあたしはあんまり乗らない。
「朝霧って意外にロマンチスト…痛っ」
朝霧のデコピンがあたしの額に炸裂した。
「いいから黙って来いっ」
そして不機嫌そうにズンズンと歩いて行く。
「ちょっ待ってよ!」
額を抑えながら、あたしは慌ててその後を追った。