え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
そんな甘いもんじゃなかった。
「…お……おはよう皆………」
教室に着いたあたしは疲れ果てていた。
朝霧超足速い。何だあれ。競歩大会か。もしくは超ハードな犬の散歩か!?もちろん犬はあたし!!!
ちなみに登校中の会話は0だ。
「よう榎波、お前今日朝霧と学校来たらしーじゃん?」
席にばたりと倒れ込むあたしの元にやってきたのは志村太一(シムラタイチ)。
こいつの紹介は簡単だ。
チャラ男。
これに尽きる。
そして何だかんだ中学からの付き合いである。
「あんた、朝霧に勝手にあたしのケー番と家教えたでしょ!」
「え?うん」
だってなんか面白そうだったから~♪
とヘラヘラと笑う。
「ってか、お前ら恋人同士のくせに何でケー番も知らねぇんだよ?」
「…別にあたしと朝霧は恋人同士じゃない」
「え!?そうなの!?だってお前、前告白されてたじゃん?
そんで今日一緒に学校来たってことは、そーゆー事じゃねぇの!?」
「…き、今日一緒に来たのは、朝霧が突然…」
だって恋人同士っていうのは、お互い好きな人同士がなるものだよね?
あたしと朝霧はただのクラスメイトだし…