え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?



「ごめんね、こんな所まで」


「ううん全然。
それで話って?」





近くにあった机に軽く腰掛け、促す委員長。





あたしは委員長を、近くの空き教室まで連れて来た。






「……あ、あの…昨日の、こと、なんだけど」



「…あぁ。もう答え出たの?ずいぶん早かったね」



「…うん。あの…あたし」






委員長はじっと、真っ直ぐにあたしを見ていた。




唾をゴクン、と飲み込む。







「ごめん!あたし好きな人がいるの!」





一気にそう言って頭を下げた。






「でも、委員長の気持ちは凄く嬉しかった!ありがとう!」




「……そっか」





思いがけない穏やかな委員長の声に顔をあげると、そこには声色通り穏やかな表情を浮かべた委員長がいた。






「……分かった、っていうか、何かそんな気がしてた」



「…え?」



「男の勘、ってやつ?
結構当たるんだ」





そう言っていい悪戯を思いついた子供のような笑顔をつくった後、ちょっと寂しそうにあたしを見て





「…でも、これからも友達でいてくれる!」



「それはうん!もちろん!」



「はは、ありがとう」





その時、あたしは気づかなかった。




ドアのところでそっと揺れた人影に………








< 47 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop