え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
「ごめんね、こんな所まで」
「ううん全然。
それで話って?」
近くにあった机に軽く腰掛け、促す委員長。
あたしは委員長を、近くの空き教室まで連れて来た。
「……あ、あの…昨日の、こと、なんだけど」
「…あぁ。もう答え出たの?ずいぶん早かったね」
「…うん。あの…あたし」
委員長はじっと、真っ直ぐにあたしを見ていた。
唾をゴクン、と飲み込む。
「ごめん!あたし好きな人がいるの!」
一気にそう言って頭を下げた。
「でも、委員長の気持ちは凄く嬉しかった!ありがとう!」
「……そっか」
思いがけない穏やかな委員長の声に顔をあげると、そこには声色通り穏やかな表情を浮かべた委員長がいた。
「……分かった、っていうか、何かそんな気がしてた」
「…え?」
「男の勘、ってやつ?
結構当たるんだ」
そう言っていい悪戯を思いついた子供のような笑顔をつくった後、ちょっと寂しそうにあたしを見て
「…でも、これからも友達でいてくれる!」
「それはうん!もちろん!」
「はは、ありがとう」
その時、あたしは気づかなかった。
ドアのところでそっと揺れた人影に………