え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
――放課後の廊下を先生とあたし、そして朝霧で歩く。
なんとなく気まずい…でもまだ先生がいてくれるからいっか…なんて思っていたのに。
「ここにある資料を適当に整理しといてくれ!」
ガラッと資料室のドアを開けて先生が言う。
「先生はちょっと用事あるから行くけど頼むな!また後で来るから!」
「えぇ!?」
「じゃっ☆」
そうして先生は颯爽と廊下を走ってどこかに行ってしまった。
残されたあたしと朝霧。
……き………気まずすぎる……!!
「…て、適当にやれだなんて先生も適当すぎるよね!アハハハハ……」
「………」
夕陽が差し込む資料室に、ペラペラ資料を捲る音と、あたしの棒読みな笑い声だけが虚しく響く。
…な……なんか反応しろや朝霧!気まず過ぎるから!とは思いつつ、決してそれを口に出すことは出来ないチキンなあたし。
「………」
仕方なくあたしもその辺にある資料を適当にイジってみる。
「………」
「………」
チラッと横目で斜め向かいに座る朝霧の様子を窺う。
綺麗な横顔が夕陽によく映えていて。
……なんかき、緊張してきた。
ドク、ドク、と心臓がここぞとばかりに自分の存在を主張してきて。
体全部が心臓になってしまったかのような、そんな錯覚に襲われる。
……言おう。
不意に、あたしは決心した。
ダメでも、振られたっていいから、言わないと。
あたしは多分一生後悔する。
いや…絶対する。
「……あ、の、朝ぎ「好きな奴って誰?」