え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?
「……お前は……アホか」
あたしを抱き締めたまま、耳元で朝霧がちょっと掠れた声で言う。
「…な、アホって…!!」
「何で俺が舞のこと好きってなってんだよ……」
そして呆れたようなため息。
「だ、だってキス…!」
「…あ、あれは…!
屋上出たら外に舞がいて、き、急にされたんだよ!
俺もお前が全然俺を見てないのにムカついてたから、まぁいいかって…なんか、投げやりになってて……悪い」
語尾にいくに従って徐々に小さくなっていく朝霧の声。
それに反比例するように、ギュッと、朝霧の腕の力がまた強まって。
「お前の事もう諦めようと思ってみたけど無理だった。
……そう思えば思うほどずっとお前の事考えてる、俺」
………それ、って……
「……朝霧、……あたしのこと………」
涙で顔をグチャグチャにしながら聞く。
あぁ、鼻水まで出てきた。
でももう、そんなこと気にしてなんていられない。
「……好き?」
あたしから少し体を離した朝霧は、フッと意地悪そうに微笑んで
「……好きで好きでたまんねー」
ちょっと強引で、優しいキスをくれた。