え!?朝霧ってあたしのこと好きなの!?




「おい、帰んぞ」




放課後、いつものように朝霧があたしの席にやって来た。



今日も授業はほぼサボり。



一体何の為に学校来てるんだろう?





「早くしろって」





そしていつものように、あたしの手からカバンを奪い取る朝霧。





「ほら行くぞ」






…何で朝霧は、こんなにあたしに構うんだろう?







そして帰り道。



相変わらず超早足の朝霧。



あたしは今日も息絶え絶えだ。





自分ち帰るのにこんなに命懸けになっているのもあたし位だろう。





と。







あたしはある一つのお店を見つけ、思わず足を止めた。





こっこんな所にクレープ屋さんが…



しかも超可愛い…!超おいしそう…!!!





目を爛々と輝かせながらクレープ屋さんを見ていると






「…食いてーの?」





あたしの手を取ったままの朝霧がそう聞いてきた。





「食いたい!超食いたい!」





甘い物大好きなあたしは、当然クレープも大好きなわけで。






「…しょーがねぇな」





クレープを前にテンションMAXのあたしに、朝霧は呆れたようなため息をついて。





「買ってきてやるよ」



「え!?うそ!?」



「嘘じゃねーよ。
ここで待ってろ」






そう言ってクレープ屋さんへと向かっていく朝霧。





朝霧もクレープ好きなのかな!?仲間だー♪






「君、ひとり?」

「はい?」




ルンルンで朝霧を待っていると、突然現れた知らないお兄さんにそう聞かれた。




「一人ならさ、ちょっと俺とお茶しない?」


「お茶?」


「うん。超ビックパフェ食べたくない?」


「超ビックパフェ!?」





何その想像するだけでヨダレが垂れそうになる食べ物は…!






いや、でも





「あたしクレープ…」

「クレープなんかよりビックパフェの方が絶対おいしいって。ほら行こ♪」




そう言ってお兄さんがあたしの腕をつかむ。






「えっあの」





ベチョッ





瞬間、お兄さんの顔に何かが命中した。





「っぶ!なっ何だテメェ!」


「こっちのセリフだハゲ」

< 9 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop